一人一人の価値観が年々多様化してきています。定期的に上司とメンバーが目標を設定して、評価期間における行動と成果を評価して、給与を上げたとしても、それだけでモチベーションやエンゲージメントが高められることはなくなってきました。
それよりも、一人一人が「なぜここにいるのか?何のためにやっているのか?」という問いに対する答えを求めていて、会社はその問いに対する答えに一人一人と向き合って、寄り添っていく必要がある、ということを人事として日々痛感しています。
「あの人は素敵だね」という思いを胸に抱いているだけでは伝わりません。そういう思いを形にして会社から社員一人一人に伝えていく施策を企画し、実行していくのがCHRO(最高人材リソース責任者)の役割の一つです。
今回は「人と組織の関係を最適にする方法」として3つの施策を紹介します。
1on1|思いは言葉にして伝える
上長とメンバーが定期的(少なくとも2週間に一度、最低でも月一回)に時間を取って話をする場が1on1です。
内容は自由ですが、過去、現在、未来の時間軸を繋げて、大事にしている価値観を話し合ったり、これから先のビジョンを話し合ったりします。
主役はメンバー自身なので、上長は聞き役、質問役に徹します。
メンバー個人の立場からは、価値観やビジョンを明確にしていく場として。
会社側の立場からは、会社のベクトルと本人のベクトルのズレを細かくコミュニケーションをすることで修正する場として機会を活かすと良いでしょう。
思っていることを言葉にして伝える。1on1を定期的に行うことで、話しても大丈夫なんだ、話す機会があるんだ、と安心感をメンバーに持ってもらうこともできます。
表彰|いいね!は公式に認められて初めて効果がある
3ヶ月や半年ごとに期間を区切って、公式に「素晴らしい行動」を認定する場が表彰です。
日常の業務の中では変化のスピードも早く、その都度で「その行動がこういう理由でいいよね」とフィードバックをすることが難しい状況があります。
また、個別にやったとしても、どういう背景からどういう行動をし、どういう面で会社として高く評価しているのか、を全社に伝えることができません。
なので、全社員の前で表彰を行い、しかもオリジナルの表彰文を作るとより効果的になります。
表彰の項目はなんでもいいと思いますが、裏側にある表彰理由については経営からのメッセージになるため、熟慮して決めることをオススメします。
いくつかの賞については周りのメンバーからの推薦や多数決で決めてもいいと思いますが、企業文化に直接関与する賞(たとえば会社のバリューを体現した人を表彰するなど)については、経営陣の話し合いで決めるのがいいかと思います。
ピア・ボーナス|上司からメンバーだけでなく、メンバー同士の「褒め」を形にする
評価されて給与が上がる場合、得てして上司からの評価が最重要視されることが多いです。また360度評価を行うなどで周りからの「顔の見えない」評価が重視されることも多くあります。
ただ、価値観が変わってきている中で、一人一人が嬉しい、と思う評価のされ方も変わってきています。
ここ最近注目されているのが「ピア・ボーナス」です。共に働く仲間と送り合う新しい成果給のカタチになります。
代表的なのがFringe81が運営している「Unipos」です。
Unipos
https://unipos.me/ja/
重すぎず、でもきちんと「思い」や「褒め」を形にすることで、上司からの定期的な評価だけでなく、日々のちょっとした行動や成果も成果給の対象となるところがポイントです。
一つ一つの評価の仕合いがコミュニケーションを生み、それが文化となっていきます。文化となるにはそこに形として残るものが必要になり、それがメンバー同士で自発的に行われることが最小限の工数で最大限の効果を生み出す施策になるので、オススメです。
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