人事評価はなぜ「人のやる気を削ぐもの」になってしまうのか

CHRO

企業の規模がだいたい30名〜50名ぐらいになると経営者から決まって出てくることがある。

「そろそろ人事評価を入れた方がいいと思う。何かの基準がいるよね」

「確かにそうかも!」と思って、人事を中心に人事評価制度の作成に着手し始めます。

他社の事例なども調べて、似たような仕組みで作り出します。

苦労して作ります。

全体に周知して、いざ運用してみると、、、驚くほど不人気な存在になります。

「人事評価はなぜ人のやる気を削ぐものになってしまうのか」

その答えは「評価のための評価になってしまい、自分事にならないから」にあります。

評価のための評価とは

人事評価制度が導入される時には説明会などが行われます。

その時には、制度の概要はもちろん、その背景・理由や目的、今後の方向性なども話されることが多いかと思います。

評価期間(サイクル)も様々ですが、およそ3ヶ月、半年、1年で、「目標設定→実行→評価」を回すことがほとんどです。

見た目には何の落ち度も無さそうです。

ですが、ここで大事な概念が抜け落ちてしまっています。

「人がなぜ働くのか」には意義がいる、というもの。

行動は衝動的に起こす人もいますが、それでは継続して行動することはできません。

「何のために動くのか」の目的・意義がないと、続けられる理由がないわけです。

また、やったことに対して、その行動がどうだったのか、のフィードバックがあると、行動を続けられる理由になります。

多くの会社で半年のサイクルで評価を回しているかと思いますが、だいたいはこうなります。

①期初に目標設定を苦労してする

②目標を達成するための計画を立てる

③評価される人も評価する人も満足する

④実行する

⑤最初はやったことの多少のフィードバックがある

⑥状況が変わる

⑦目標設定を変えないといけないけれど、「苦労して作った」ことを思い出して、面倒に思う

⑧記憶から消す。目標に対して、というよりも、瞬間だけを切り取ったフィードバックが行われる。(もしくは何も言われなくなる)

⑨半年が過ぎて、評価をする。「半年前にはこんな目標を立てていたのか」と久しぶりに思い出す。

⑩何とか現状に当てはめようと、何となく「まあ、こんなことがあったよね」と思い出話をしながら、評価作業を完了させるための評価をする

⑪当然のように白ける。以後は「評価のための評価」が続く・・・。

人事評価とは一体何か?

人事評価を考える時には、人事評価のことだけを捉えていても全体感を掴めません。

つまり「人事評価とは自分たちにとって何か」を認識しておく必要があります。

その手順として私たちがやっている方法はこうです。

①現状を捉えて課題を洗い出す

②課題の理由を深堀りする(なぜ?を繰り返す)

③そもそも会社がどうやって成り立ってきたのかを経営者に聞く

④未来の時点で「どうありたいのか」を経営者に聞く(規模感、期限、状態など)

⑤最終的に解決したい社会問題を経営者に聞く

⑥一番大事にしている「独自の価値観=コアバリュー」を見出す

⑦「ありたい姿」と現状とのギャップを埋めるための仕組み(人物金)と、そのマイルストーンを策定する

⑧毎週進捗確認をしながら、マイルストーンを進めていく

このステップを行うことで、「人事評価」は一つの施策レベルで考えるのではなく、全体の流れの中でどこに位置するのかを捉えられるようになります。

人事評価が「人のやる気を削ぐもの」にならないようにする方法

人事評価のことを考える時に、何より1番最初に考えなきゃいけないのは、それを本当に導入する必要があるのか、ということです。

何となくの思いつきだったり、他の会社も入れているから、ぐらいの理由で導入するにはあまりにも大変だと言うことです。

人事評価が「人のやる気を削ぐもの」になってしまうのは、おそらく3つのポイントがあると考えています。

①自分の立てた目標が一体どこに向かっているのか、何のためになっているのか、が全く感じられない。
②自分の立てた目標がほぼ主観に基づくものでそれが会社の独自の価値観に沿っているものであるのか、が分からない。
③自分の行動が本当に全体にとっていいのか、誰も何も言ってくれないと分からなくなる。

こういう状態が続くと、人事評価は機能しなくなります。

人事評価を導入するとして、それが機能する状態を生み出すには、こうした状態を生み出さないようにする必要があるわけです。

つまり、以下の3点を意識的に行うと良いと考えています。

①経営者もしくはマネージャーが、現状と未来の時点でありたい状態、そのギャップを埋めるためのマイルストーンを伝える(全体観を知ってもらう)
②自分たちの独自の価値観を様々な接点で伝える。それを何度も行う
③やった行動に対して、その振り返りとフィードバックをする。そして次に行動を起こすときに更により良くするための視点と具体的な行動を共に考えるフィードフォワードをする

人事評価が「人のやる気を削ぐもの」にならないようにするために、全体観から捉えるようにしていきましょう。

Scroll Up
タイトルとURLをコピーしました